マンションの管理をするのは、もともと管理会社ではなく、区分所有者の団体である管理組合です。管理会社は、その仕事の一部か全部を委託された先にすぎません。自主管理は、委託せずに区分所有者自身が回している状態です。
区分所有者は、全員で建物と敷地を管理するための団体を構成し、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます(区分所有法 第3条)。管理者は、集会の決議で選びます(第25条)。管理会社に頼むかどうかは、この団体が決めることです。
管理の仕事のうち中心になるのは、管理組合の会計の収入と支出の調定・出納と、共用部分の維持・修繕の企画と実施の調整です。マンション管理適正化法は、これを「基幹事務」と呼んでいます(第2条第6号)。自主管理のマンションでは、これを区分所有者がやっています。
| 形 | 中身 | この診断(PRO)の管理の評価 |
|---|---|---|
| 全部委託 | 基幹事務を含めて管理会社に委託 | 0.08 加える |
| 一部委託 | 一部だけを委託する。たとえば清掃や点検は委託し、会計は組合で | 0.03 加える |
| 自主管理 | 委託せず、区分所有者が担う | 0.08 引く |
自主管理なら、結果画面の「重大なリスク」の欄にも「中」として出します。候補から外す扱いにはしていません。小規模で、住んでいる人が熱心に回している自主管理の建物もあり、形だけで良し悪しは決まらないからです。下げているのは、確かめる手間が増えるぶんです。
重要事項説明書には、建物と敷地の管理が委託されているとき、委託先の名前と住所が書かれます(宅地建物取引業法施行規則 第16条の2 第8号)。この欄が空なら、委託していないということです。
同じ条の第9号では、管理組合の管理者等そのものが、委託を受けて管理事務を行うマンション管理業者である場合に、その旨を書くことになっています。管理会社そのものが管理組合の管理者になる形で、自主管理とは逆の端にあたります。
自主管理で起きやすいのは、記録が残っていないことです。担い手が替わるたびに、帳簿や修繕の経緯が引き継がれずに途切れることがあります。だから見るのは、書類がそろっているかどうかです。
| 確かめること | 書類 |
|---|---|
| 会計が毎年締められているか | 収支報告書・総会議事録 |
| 修繕の計画があるか | 長期修繕計画 |
| 積立金がいくら貯まっているか | 修繕積立金の残高が分かる書類 |
| 滞納があるか | 総会資料・理事会の記録 |
| 誰が運営しているか、次の担い手がいるか | 役員の名簿・総会議事録 |
管理会社がいれば重要事項調査報告書という形で出てくる情報を、自主管理では組合の書類から集めることになります。仲介会社が集められない場合は、理事長に直接たずねることになります。
住宅ローンを使うなら、事前審査の段階で物件名を伝え、管理の形で審査に影響が出ないかを金融機関に聞いておいてください。
管理組合の直近の収支報告書と総会議事録、
長期修繕計画を見せてください。
この3つが出てこないなら、出てこないこと自体が答えです。
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