ハザードマップで色が付いていた、というだけでは判断材料になりません。洪水浸水想定区域は浸水の深さで6段階に分かれていて、0.5m未満と3m以上とでは、意味がまったく違います。
この診断が見ているのは、国土交通省 不動産情報ライブラリの洪水浸水 想定区域(想定最大規模)です。区域に入っているかどうかだけでなく、 想定される浸水の深さが段階で付いています。
| 区分 | 想定される浸水深 |
|---|---|
| 1 | 0〜0.5m未満 |
| 2 | 0.5〜3.0m未満 |
| 3 | 3.0〜5.0m未満 |
| 4 | 5.0〜10.0m未満 |
| 5 | 10.0〜20.0m未満 |
| 6 | 20.0m以上 |
木造2階建ての2階の床は、おおむね地上3m前後にあります。3.0m以上の 区分は、2階に上がれば安全とは言い切れない深さです。逆に0.5m未満なら、 建物の基礎の高さによっては床上に届かないこともあります。同じ「色が 付いている」でも、この二つを並べて扱うことはできません。
2020年8月28日に宅地建物取引業法施行規則が改正され、水害ハザード マップにおける対象物件のおおむねの所在地を説明することが、重要事項説明の 対象になりました。対象は水防法にもとづいて市町村が作る、洪水・雨水出水 (内水)・高潮のハザードマップです。
ここで義務づけられているのは、地図の上で物件がどこにあるかを示すこと。 深さの数字を読み上げることまでは含まれていません。凡例と照らして何mの 区分に入っているかを確かめるのは、買う側の作業になります。
土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域は、水害ハザードマップとは 別に、それぞれ重要事項説明の項目があります。
リスクは15点満点です。0から1の評価を出して、最後に15を掛けています。 洪水の浸水深は次のように効かせています。
| 想定浸水深 | リスクの扱い |
|---|---|
| 0〜0.5m未満 | 1.5点引く |
| 0.5〜3.0m未満 | 3点引く |
| 3.0〜5.0m未満 | 7.5点以下に抑える |
| 5.0m以上 | 5.25点以下に抑える |
他に該当がなければ、の話です。土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は 4.5点以下、警戒区域(イエローゾーン)は8.25点以下に抑え、津波浸水想定域は 4.5点、高潮浸水想定域は3点を引きます。重なれば、そのぶん下がります。
ハザードのデータを取得できなかったときは、10.5点までしか付けません。 該当が無いことを確かめられていないのに、無いものとして満点を出すのは 違うからです。安全と言えるのは、調べた場合だけです。
市区町村のハザードマップを開いて、物件の位置と凡例を突き合わせてください。 自治体の地図には「計画規模」と「想定最大規模」など複数の想定が載っている ことがあります。この診断が見ているのは想定最大規模、つまり厳しいほうです。 不動産会社の説明で示された地図がどちらの想定かは、確かめる価値があります。
深さが分かると、火災保険の水災補償を付けるかどうかの判断材料にもなります。 0.5m未満の区分と5m以上の区分では、判断は変わって当然です。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。住所を入れてハザードを確かめる ・ 土地を診断する(注文住宅)