「この市は人口が減る」と言っても、駅前のマンションと郊外の分譲地では話が別です。この診断は市区町村の平均ではなく、250m四方のメッシュごとの推計を見ています。
人口の見通しは、ふつう市区町村の単位で語られます。ただ、ひとつの市の 中でも、駅に近い区域は世帯が入れ替わりながら維持され、バス便の郊外は 減っていく、ということが起こります。平均を取ると、その差が消えます。
買う人が知りたいのは市の平均ではなく、その家の周りに人が住み続けるか です。売るとき、貸すときに効いてくるのはそちらのほうなので、より細かい 単位で見る必要があります。
この診断は、国土交通省 不動産情報ライブラリの将来推計人口を、250m四方の メッシュ単位で取得しています。物件の座標が入るメッシュについて、 2025年の人口と2050年の推計人口を比べ、その増減率を使います。
資産性は戸建で10点、マンションで20点の配点です。人口の増減はここに 足し引きしますが、幅は次の程度に抑えています。
| 2050年までの増減 | 戸建 | マンション |
|---|---|---|
| +5%以上 | 0.8点足す | 1.6点足す |
| 0%以上+5%未満 | 0.4点足す | 0.8点足す |
| -10%以上0%未満 | 動かさない | 動かさない |
| -20%以上-10%未満 | 0.5点引く | 1点引く |
| -20%未満 | 1点引く | 2点引く |
25年先の推計に、駅からの距離や築年数をひっくり返すほどの重みは 置けません。推計は前提を置いた計算であって、予測ではないからです。 大きな再開発や、雇用の増減や、災害。どれも織り込まれていません。
それでも入れているのは、方向が分かるだけで意味があるからです。 同じ価格・同じ築年の二つの物件で、片方が横ばい、片方が2割超の減少と 出るなら、それは考える材料になります。
人口が減る見通しの区域を避けるべきだ、という話ではありません。 価格にはすでにある程度織り込まれているはずですし、住み心地とも直接は つながりません。効いてくるのは出口、つまり売るときや貸すときです。
気にするなら、周辺の小中学校が統廃合の対象になっていないかと、 路線バスの本数がどう推移しているかを見てください。どちらも自治体が 公表しています。人口の推計より、生活の実感に近いところで先に現れます。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。住所を入れて人口の見通しを見る ・ 土地を診断する(注文住宅)