建売やマンションは、決済の日に住宅ローンが実行されて、その日に終わります。注文住宅は終わりません。土地を決済してから建物が完成するまで半年から1年あり、その間の立て替えに利息がつきます。これを先に教えてくれる人が、あまりいません。
理由は担保です。住宅ローンは土地と建物に抵当権を設定して貸すものなので、建物が無い段階では、担保として評価も設定もできません。だから実行は引渡しのときになります。
ところが支払いのほうは先に来ます。土地の決済、着工金、上棟時の中間金。順に並べるとこうなります。
| いつ | 何を払うか | お金の出どころ |
|---|---|---|
| 売買契約 | 土地の手付金 | 現金 |
| 土地の決済 | 土地代金 | つなぎ融資 |
| 着工 | 着工金 | つなぎ融資 |
| 上棟 | 中間金 | つなぎ融資 |
| 完成・引渡し | 工事の残金 | 住宅ローン本体 |
引渡しの日に住宅ローンが実行され、つなぎ融資はそこで一括して返します。それまでの期間に払うのは利息だけです。
利息 = 実行額 × 年利 ÷ 365 × 日数
日割りです。そして実行ごとに日数が違います。土地代金は決済の日から完成まで、着工金は着工の日から完成まで、中間金は上棟の日から完成まで。早く出ていくお金ほど、利息が乗る期間が長くなります。
土地1,800万円・建物2,500万円、決済から完成まで324日、年利2.8%、自己資金300万円を土地代金に充てた場合で、この診断が出す利息は55.98万円です。工事代金の支払いを着工時30%・上棟時30%・引渡し時40%として計算しています。
この55万円は、住宅ローンの返済額には入っていません。総額の外側で出ていくお金です。
土地の売買契約のときに払う手付金は、つなぎ融資より前です。融資は決済の日に実行されるので、契約の時点では、まだ1円も借りていません。
「頭金なしで買えます」という話を、手元の現金が要らないという意味に受け取っていると、契約の直前で詰まります。この診断では、支払いの時系列に手付金を並べ、融資の実行前に払うので現金が要る、と添えています。
着工30%・上棟30%・引渡し40%という配分は、よくある例です。決まりではありません。着工時に40%を求める会社もあれば、上棟時の中間金を置かない会社もあります。配分が前に寄るほど、つなぎ融資の期間が長くなり、利息が増えます。
この診断も、入力が無ければこの例で計算します。そのときは「一般的な例であって決まりではないので、請負契約書でご確認ください」と画面に出します。着工日や上棟日が未入力のときも、決済から完成までの3分の1・3分の2あたりに仮に置いたうえで、仮に置いたことを書きます。前提を隠して数字だけ出すと、その数字が独り歩きします。
注文住宅の総額には、土地と建物のほかに、付帯工事・外構・諸費用が乗ります。そのうち三つについて、この診断は金額を出しません。
相場らしい数字を書くことはできます。ただ、根拠のない数字を資金計画に入れると、足りなかったときに責任の持ちようがありません。名前と、どこで分かるかだけを出しています。引き込みは市区町村の水道課とガス事業者で、地盤は地盤調査の結果で。
つなぎ融資は本融資より金利が高いのが普通です。まず年利が何%か。次に、何回まで実行できるか。3回に分けられる金融機関もあれば、2回までのところもあります。回数が足りないと、足りない分を現金で用意することになります。
事務手数料・印紙代・抵当権設定費用も、つなぎ融資のぶんが別に要ります。金額は金融機関ごとに違うので、この診断では名前だけ出しています。契約の前に、合計でいくらかを書面でもらってください。利息と手数料を合わせると、数十万円の単位になります。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。土地を診断する(注文住宅) ・ 資金計画の見本を見る