HOME INDEX
解説
HOME INDEX

← 解説の一覧

指定容積率200%でも、前面道路が4mなら160%までです

2026-09-22 / 長沢 銀河(宅地建物取引士) 運営者について

容積率は、広告に書いてある数字がそのまま使えるとは限りません。前面道路が12m未満なら、幅員から計算した上限と比べて、小さいほうが効きます。4m道路で指定容積率200%の土地は、実際には160%までです。

条文が二つの上限を置いている

建築基準法第52条第1項が、用途地域ごとに都市計画で定める容積率を 挙げています。広告に「容積率200%」と書かれているのはこちらです。

そのうえで第2項が、別の上限を置いています。

前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの)の 幅員が十二メートル未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの 数値に、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を乗じたもの以下で なければならない

出典:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第五十二条 e-Gov 法令検索

乗じる数値は、第一種低層住居専用・第二種低層住居専用・第一種中高層 住居専用・第二種中高層住居専用・第一種住居・第二種住居・準住居・田園住居の 各地域では十分の四。それ以外の地域では十分の六です(特定行政庁が 都道府県都市計画審議会の議を経て別に定める場合を除きます)。

4m道路の住居系なら160%

前面道路住居系(×0.4)それ以外(×0.6)
4m160%240%
5m200%300%
6m240%360%
8m320%480%
12m以上この制限はかからない

指定容積率200%・前面道路4m・第一種住居地域の土地なら、200%と160%の 小さいほうで160%。敷地125㎡なら、延床の上限は250㎡ではなく200㎡です。 50㎡、坪にして15坪ほど違います。

道路が二つ以上あるときは幅員の最大のもので計算します。角地で 広いほうに接しているなら、そちらを使えます。

広告に出ているのは、どちらか

販売図面の「容積率」欄は、ふつう指定容積率です。前面道路による上限は、 その土地の前の道路を測らないと出ないので、図面の項目としては書きにくい。 書いていないことが不誠実だというより、買う側が自分で掛け算する前提の 数字だということです。

ここで落ちると、間取りの相談を始めてから「3階が載りません」という 話になります。土地を決める前に分かることなので、先に計算しておくほうが 早い。

この診断での扱い

土地診断では、用途地域から乗じる数値を選び、前面道路の幅員を掛けて、 指定容積率と比べた小さいほうを「実際に使える容積率」として出します。 道路で頭打ちになった場合は、その旨と両方の数字を並べます。

ひとつ決めていることがあります。指定容積率が取れていないときは、 道路から計算した数値だけで延床を出しません。52条2項は「これを超えては ならない」という上限であって、「これだけ建ててよい」という許可ではない からです。幅員6mの道に接しているというだけで容積率360%と出してしまうと、 上限を許可と読み替えたことになります。取れないときは、延床の上限を 出さずに、道路による上限だけを注記します。

用途地域が分からないときは、乗じる数値を0.4として計算します。住居系と それ以外で迷ったら、厳しいほうに寄せるという扱いです。

斜線制限は入っていません

容積率を使い切れるかは、別の話です。道路斜線・北側斜線・隣地斜線と 日影規制は、真北の向きと隣地の条件が要るため、公的データからは取れません。 この診断の計算には入っていません。実際の設計は、これより小さくなることが あります。

設計者に渡す前に、前面道路の幅員を自分で確かめておいてください。 道路管理課で幅員を聞き、二つ以上の道に接しているなら広いほうの数字を。 「容積率いっぱい建つ前提」で資金計画を組むと、後から縮みます。

この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。土地を診断する(注文住宅)

解説
PROでできること ・ 無料とPROのちがい ・ 資金計画の見本
運営者について ・ 利用規約 ・ プライバシーポリシー ・ 特定商取引法に基づく表記
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ/国土地理院
商業施設:© OpenStreetMap contributors(ODbL)
© HOME INDEX