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売買契約の当日。何が行われ、何を持っていくか

2026-10-01 / 長沢 銀河(宅地建物取引士) 運営者について

売買契約の当日にやることは、多くありません。説明を聞いて、署名して、お金を払う。ただしその日に初めて見る書類で判断するのは無理があります。当日までに何を済ませておくかで、ほとんど決まります。

当日の流れ

順番は会社によって多少違いますが、おおむねこうなります。

順やること目安
1重要事項説明。宅地建物取引士が、書面を示して読み上げる40〜60分
2質疑。分からなかった欄を聞く10分
3売買契約書の読み合わせ、署名押印30分
4手付金の支払い10分
5仲介手数料の半金を払う会社もある—

全体でおよそ2時間。売主が同席する場合と、売主側は別日に済ませている 場合があります。

重要事項説明は、当日の読み上げで理解するものではない

重要事項説明書は30ページ近くあります。宅地建物取引士が読み上げ、 買主はそれを聞いて判断する。初見でこれをやるのは無理があります。

だから写しを事前にもらってください。断られる理由はありません。 もらったら、空欄や「なし」と書かれた欄に印を付けておきます。 当日は、その印の欄だけ質問すれば済みます。

どの欄に何が書かれるかは 重要事項説明書のどこを見るかに 条文の号つきで並べました。

当日に払うお金

手付金

売買代金の5〜10%程度を現金または振込で払うのが一般的です。 これは現金で用意する必要があります。住宅ローンは決済の日に 実行されるので、契約の時点ではまだ1円も借りていません。

手付金は代金の一部に充当されます。ただし、相手が契約の履行に着手する までの間は、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を返して、契約を 解除できるのが原則です。いつまで解除できるかは契約書に日付で 書かれているので、そこを必ず読んでください。

印紙税

売買契約書に貼る収入印紙です。契約金額によって決まります。 軽減措置が適用されるときの税額は次のとおりです。

契約金額印紙税(軽減後)
500万円超 1,000万円以下5,000円
1,000万円超 5,000万円以下10,000円
5,000万円超 1億円以下30,000円

出典:国税庁 タックスアンサー No.7108。軽減措置は令和9年3月31日までに 作成される契約書が対象(2026年8月時点で確認)

仲介手数料

宅地建物取引業法が上限を定めています。速算式で出せます。

売買価格400万円超 → 価格 × 3% + 6万円(別途消費税)

3,000万円の物件なら、30,000,000 × 3% + 60,000 = 960,000円。 消費税を加えて1,056,000円が上限です。

売買価格仲介手数料の上限(税込)
2,000万円726,000円
3,000万円1,056,000円
5,000万円1,716,000円

出典:国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(報酬額)

これは上限であって、定価ではありません。契約時に半金、決済時に半金と する会社が多いものの、全額を決済時にする会社もあります。

当日までに済ませておくこと

最後の1つが抜けがちです。ローン特約は、融資が承認されなかったときに 契約を白紙に戻せる条項です。期限が短すぎると、審査結果が出る前に 期限が来てしまいます。

持ち物

持ち物補足
本人確認書類運転免許証・マイナンバーカードなど
印鑑認印で足りることが多いが、事前に確認
手付金現金か振込か、方法を事前に確認
収入印紙仲介会社が用意することも多い。どちらかを確認
仲介手数料(半金)会社による
通帳・銀行印振込の場合
事前に読んだ書類と、印を付けたメモいちばん役に立ちます

署名する前に、止まっていい

説明の途中で分からないことがあれば、その場で聞いてください。 聞いても腑に落ちなければ、その日に署名しないという選択もあります。

署名したあとで解除すると、手付金を放棄することになります。 署名の前なら、何も失いません。相手が急いでいるように見えても、 判断の材料が揃っていないなら、それは急ぐ理由になりません。

決済の日は、まだ先にある

契約は終わりではありません。このあと本審査、金銭消費貸借契約、 そして決済・引渡しが続きます。諸費用の大半は決済の日に出ていきます。

仲介手数料の残金、登録免許税と司法書士報酬、不動産取得税(あとから 納税通知が届きます)、火災保険、固定資産税の精算金。 資金計画の見本に、積み上げた形で出しています。

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