諸費用は物件価格の何%か。この見本では7.5%です。3,180万円の中古戸建で238.56万円。ただし、そのうち64万円は住宅ローンの保証料で、払い方を変えるだけで5.5%まで下がります。一言で何%と言えないのは、そういう項目が混ざっているからです。
資金計画の見本と同じ前提です。千葉県船橋市の築28年・木造の中古戸建で、実在の物件ではありません。頭金500万円、残りと諸費用を住宅ローンで借りる形にしています。
| 項目 | 金額 | 区分 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 111.54万円 | 計算 |
| 印紙税 | 1万円 | 計算 |
| 登録免許税(土地の所有権移転) | 25.5万円 | 計算 |
| 登録免許税(建物の所有権移転) | 0.9万円 | 計算 |
| 登録免許税(抵当権の設定) | 2.91万円 | 計算 |
| 司法書士報酬 | 5万円 | 推定 |
| 不動産取得税(建物・土地) | 0円 | 推定 |
| 住宅ローン保証料 | 64.21万円 | 推定 |
| 火災保険(地震保険あり・5年一括) | 27.5万円 | 推定 |
| 合計 | 238.56万円 |
「計算」は法令や公表された料率から出せるもの、「推定」は金融機関や依頼先で変わるため、前提を置いて出しているものです。合計は価格の7.5%にあたります。
111.54万円で、諸費用のほぼ半分です。宅地建物取引業法にもとづいて上限が決まっていて、400万円を超える物件なら速算式で出せます。
3,180万円 × 3% + 6万円 = 101.4万円(税抜)
消費税10%を加えて 111.54万円
これは上限で、定価ではありません。売買価格が800万円以下の物件は、低廉な空家等の特例で33万円(税込)まで請求されることがあります。安い物件ほど、価格に対する諸費用の割合は大きくなります。
出典:国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(報酬額)
登録免許税と不動産取得税は、売買価格ではなく固定資産税評価額にかかります。見本では土地1,700万円、建物300万円と置きました。
| 登記 | 計算 |
|---|---|
| 土地の所有権移転 | 評価額 × 1.5%(軽減税率) |
| 建物の所有権移転 | 評価額 × 0.3%(軽減税率。自己の居住用・床面積50㎡以上などの要件) |
| 抵当権の設定 | 借入額 × 0.1%(軽減税率。本則は0.4%) |
出典:国税庁 タックスアンサー No.7191、法務局「登録免許税はどのように計算するのですか?」、租税特別措置法第75条
不動産取得税は、この見本では建物も土地も0円になりました。建物は評価額 300万円から1,200万円が控除されます。土地は評価額の2分の1に3%を掛けた 25.5万円から、44.05万円の軽減額が差し引かれます。どちらも差し引くと0を下回ります。
建物の控除額は、その家がいつ新築されたかで変わります。1997年4月1日以降の新築なら1,200万円、1982年1月1日から1985年6月30日の新築なら420万円です。古い家は評価額も低いので、控除が小さくても0円に収まることはあります。ただ、評価額が分からないうちに0円と決めつけることはできません。
出典:地方税法第73条の15・附則第11条の2・附則第11条の5、神奈川県 県税のページ(中古住宅の軽減措置)。税率は標準税率で、都道府県の条例で異なり得ます
評価額は、売主の手元にある固定資産税の課税明細書に載っています。仲介会社に頼めば写しを取り寄せてもらえます。印紙税は契約金額で決まり、3,180万円なら軽減後の1万円です(国税庁 タックスアンサー No.7108。軽減は令和9年3月31日までに作成する契約書が対象)。
保証料、火災保険、司法書士報酬は、法令で決まる金額ではありません。見本では次の前提を置いています。
| 項目 | 見本の前提 |
|---|---|
| 住宅ローン保証料 | 借入額 × 2.2%(一括前払い) |
| 火災保険 | 5年一括・地震保険ありで25万〜30万円の中間 |
| 司法書士報酬 | 5万円 |
割合の話をいちばん揺らすのは保証料です。最初に一括で払う方式なら64.21万円が諸費用に入りますが、金利に上乗せして払う方式を選べば、初期の諸費用からは消えます。消えたぶんは毎月の返済に乗ってくるので、得をするわけではありません。払う時期が変わるだけです。
保証料を取らない代わりに、借入額に比例する事務手数料を取る金融機関もあります。どちらの方式かは、事前審査の段階で聞けば分かります。
保証料の64.21万円を除くと、諸費用は174.35万円、価格の5.5%です。
固定資産税・都市計画税の精算金です。その年の税金は売主が払うことになっているので、引渡日以降の分を日割りで売主に払います。見本では、年税額11万円、起算日1月1日、2027年3月1日の引渡しで9.22万円でした。
起算日を1月1日にするか4月1日にするかで金額が変わります。どちらにするか、引渡日をどちらの負担にするかは、売買契約書の定めが優先します。
手付金も現金で用意します。住宅ローンは決済の日に実行されるので、契約の日にはまだ1円も借りていません。手付の決まり方は手付金はいくら払うかにまとめました。
「諸費用は価格の何%くらい」という話は、保証料の払い方と火災保険の年数を伏せたまま比べているのと同じです。
仲介会社には、諸費用を項目別の見積書で出してもらってください。そのうえで「保証料は一括前払いと金利上乗せのどちらで見ていますか」「火災保険は何年で見ていますか」の2つを聞けば、数字の大半の出どころが分かります。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。資金計画の見本を見る ・ 戸建を診断する