事前審査に通ったから大丈夫、とはなりません。見ているものが途中で変わるからです。事前審査はおもに申込者を見ます。本審査では、そこに買う家が加わります。
| 事前審査 | 本審査 | |
|---|---|---|
| いつ | 買付を入れる前後 | 売買契約のあと |
| 主に見るもの | 申込者(年収・勤続・他の借入・信用情報) | 申込者に加えて物件 |
| 書類 | 本人確認・収入が分かるもの程度 | 売買契約書・重要事項説明書・登記事項証明書・図面など |
| 団体信用生命保険 | 見ないことが多い | 健康状態の告知が入る |
| かかる日数 | 数日 | 1〜2週間 |
事前審査の段階では、買う家が決まっていないこともあります。決まっていても、 金融機関は物件の資料を細かく見ていません。事前審査は「この人にいくらまで 貸せそうか」の見立てであって、その家に貸すという約束ではありません。
金融機関ごとに基準は違いますが、公開されているものとして フラット35(住宅金融支援機構)の技術基準が参考になります。民間でも 似た点を見ます。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 床面積 | 一戸建て等は50㎡以上、共同建て(マンション)は30㎡以上 |
| 接道 | 原則として一般の道に2m以上接すること |
| 耐震性(中古) | 建築確認日が昭和56年6月1日以後であること |
| 劣化状況(中古) | 土台、床組等に腐朽や蟻害がないこと等 |
出典:住宅金融支援機構【フラット35】対象となる住宅・技術基準 flat35.com
フラット35では、技術基準に適合していることを示す適合証明書が 必要です。第三者の検査機関または適合証明技術者が物件検査を行い、 合格すると交付されます。買主の自己申告では通りません。
気づかれたかもしれません。上の表は、この診断が採点している項目と ほとんど同じです。
つまり、再建築できない土地、旧耐震で耐震性が確認できない建物、 シロアリの被害がある家は、買う側が避けるべきであると同時に、 貸す側も避けています。両方から同じ結論が出ます。
物件以外で本審査が止まるのは、事前審査のあとに状況が変わったときです。
事前審査から本審査までの期間は、何も変えないのが正解です。 車を買うのも、カードを作るのも、引渡しのあとにしてください。
本審査では、団体信用生命保険の告知が入ります。健康状態によっては 加入できず、そのために融資が受けられないことがあります。
通らなかった場合でも、引受条件を緩和した団信や、フラット35のように 団信への加入が任意の商品があります。一つの金融機関で駄目だったことを、 借りられないことと同じにしないでください。
審査に通る額と、無理なく返せる額は別です。返済負担率の基準は 貸す側が使う線であって、生活の余裕を測ったものではありません。 マンションなら管理費と修繕積立金が、戸建なら修繕の積立が、 返済とは別に出ていきます。
この診断は、年収と頭金を入れると返済負担率を出します。考え方は 返済負担率の基準は30%と35%に 書きました。
自分の信用情報は、自分で取り寄せられます。CIC・JICC・全国銀行個人信用 情報センターの3つがあり、いずれも本人開示の手続きがあります。
心当たりがあるなら、事前審査を出す前に見ておくほうが早いです。 落ちてから理由を推測するより、先に事実を確かめるほうが手戻りがありません。 金融機関は落ちた理由を教えてくれません。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。戸建を診断する ・ マンションを診断する