気に入った工務店があって、注文住宅を建てるために土地を探している。その人にとって、建築条件付きの土地は選択肢ではありません。土地の良し悪し以前に、建てる会社を選べないからです。
不動産の表示に関する公正競争規約は、建築条件付土地をこう定義しています。
自己の所有する土地を取引するに当たり、自己と土地購入者との間に おいて、自己又は自己の指定する建設業を営む者(建設業者)との間に、当該 土地に建築する建物について一定期間内に建築請負契約が成立することを条件 として取引される土地をいう(建築請負契約の相手方となる者を制限しない 場合を含む。)。
出典:不動産の表示に関する公正競争規約 第4条第6項第1号
読みどころは二つあります。一定期間内に請負契約が成立することが 条件であること。そして、相手方を制限しない場合も含むこと。つまり 「条件付き」と書いてあっても、会社を選べる場合がまれにあります。
建築条件付きの説明では、よく「3か月以内に請負契約」と言われます。 規約の条文を通して読みましたが、3か月という数字はどこにもありません。 書いてあるのは「一定期間内」です。
期限について規約が定めているのは、広告に設計プランを載せるときの要件の ほうです。そこにはこうあります。
建築請負契約を締結すべき期限(土地購入者が表示された建物の 設計プランを採用するか否かを問わず、土地購入者が自己の希望する建物の 設計協議をするために必要な相当の期間を経過した日以降に設定される期限)
出典:同規約 第6条第1号イ
「相当の期間を経過した日以降」とあるだけで、月数は決まっていません。 3か月は慣行として広く使われている数字であって、規約上の決まりではない、 ということです。契約書に何か月と書かれているかを、自分で確かめる必要が あります。
同じ条文に、こう続きます。
建築条件が成就しない場合においては、土地売買契約は、解除され、 かつ、土地購入者から受領した金銭は、名目のいかんにかかわらず、全て 遅滞なく返還する旨
出典:同規約 第6条第1号ウ
期限までに請負契約がまとまらなければ、土地の売買契約は解除され、 払ったお金は名目を問わず全額返ってきます。手付金も、申込証拠金も、 設計料という名目で払ったものもです。
間取りが気に入らない、見積りが高すぎるといった理由で請負契約を結ばなければ、 土地は買わずに済み、お金も戻る、という建て付けになっています。
土地のフォームで、建築条件を三択で聞いています。「わからない」 「建築条件なし」「建築条件付き」。PROではなく無料で聞いているのは、 注文住宅を探している人にとって、ここが分かれ道だからです。
「建築条件付き」を選ぶと、結果の上のほうに注意のカードが出ます。 点数には入れていません。土地そのものの欠点ではなく、買い方の 制約だからです。接道や建ぺい率のように、土地に備わった条件ではありません。
下に出る点数は、「この土地に家を建てるとしたらどうか」という評価です。 その家を誰が建てるかは、別の話として上に出しています。
売主によっては、土地の価格を上げることで条件を外す交渉に応じます。 「条件を外すといくらになりますか」と聞いてみる価値はあります。
外れた場合も、戻った金額が妥当かは別に考えてください。条件付きの価格が 相場より安く設定され、条件を外すと相場以上になる、という組み方もあり得ます。 この診断は土地の価格を点数に入れていませんが、近隣の土地取引の分布は 出しているので、そこと比べられます。
建築請負契約を結ぶべき期限が何か月後の何日か。これを口頭ではなく 書面で確認してください。3か月とは限りません。
次に、期限までにまとまらなかったときに返ってくる金銭の範囲。規約は 「名目のいかんにかかわらず全て」と書いていますが、契約書にそう書いて あるかは別です。設計料・打合せ費用の扱いを、契約書の条文で見てください。
そして、指定された建設会社の実績。坪単価だけでなく、標準仕様に何が 含まれているかを先に出してもらうこと。土地の契約を先に結んでから見積りを 見ると、期限に追われて不利な交渉になります。
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