固定資産税は、その年の1月1日に所有者だった人にかかります。年の途中で家を買っても、その年の税金を納めるのは売主です。それでも決済の日には、引渡日から先の分を日割りで売主に払います。これが精算金で、法律ではなく、売買契約の取り決めです。
地方税法は、固定資産税を固定資産の所有者に課すとし(第343条)、その年度の税がかかる日(賦課期日)を1月1日としています(第359条)。都市計画税も同じく1月1日です(第702条の6)。
だから、3月に引渡しを受けた買主に、その年度の固定資産税の納税通知は来ません。売主に1年分が来ます。精算金は、そのうち買主が持っている期間の分を、売主に返すためのお金です。税金を払っているのではなく、売主との約束でお金を渡しています。
年税額 × 買主が持つ日数 ÷ その1年の日数
資金計画の見本では、年税額11万円(固定資産税と都市計画税の合計)、引渡日は 2027年3月1日、起算日は1月1日です。
110,000円 × 306日 ÷ 365日 = 92,219円(9.22万円)
3月1日から12月31日までが306日。引渡日の当日を買主の負担として数えています。
同じ引渡日でも、1年の区切りを4月1日から3月31日にすると、買主が持つのは 3月1日から3月31日までの31日です。
110,000円 × 31日 ÷ 365日 = 9,342円
| 起算日 | 区切り | 買主の日数 | 精算金 |
|---|---|---|---|
| 1月1日 | 2027年1月1日〜12月31日 | 306日 | 92,219円 |
| 4月1日 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 31日 | 9,342円 |
同じ家、同じ日の引渡しで、8万円以上違います。どちらが正しいということはなく、関東では1月1日、関西では4月1日を起算日とすることが多いと言われています。決めるのは売買契約書です。
引渡日の当日をどちらの負担にするか、うるう年をどう数えるかも、同じく契約書で決まります。
年税額は、売主の手元に届いている納税通知書(課税明細書)に載っています。仲介会社が精算のために取り寄せる書類なので、見せてもらえます。固定資産税評価額も同じ書類に載っていて、登録免許税と不動産取得税の計算にも使います(諸費用の記事)。
マンションでは、管理費と修繕積立金も引渡月の分を日割りにすることがあります。売主が月初めに当月分を払っている場合、引渡日から月末までの分を買主が売主に返します。
月額 × 引渡日から月末までの日数 ÷ その月の日数
管理組合が何月分をいつ徴収しているかで金額が変わるので、これも契約書の定めを確かめてください。
精算金は売主に払うお金で、仲介手数料や登録免許税のような諸費用とは別のものです。資金計画の見本でも、諸費用の合計には入れず、「決済当日に必要な現金」として分けて出しています。住宅ローンに含めて借りる前提にしないほうが安全です。
起算日は1月1日と4月1日のどちらですか。
引渡日の当日は、どちらの負担ですか。
契約書の写しをもらったら、この2つを確かめてください。
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