マンションは、建物を自分ひとりで直せません。直すかどうかを決めるのは管理組合で、直せるかどうかを決めるのは修繕積立金です。だからこの診断は100点のうち15点を管理に置いています。ただし、その15点で見ているものは限られています。
先に限界を書きます。管理の15点が実際に判定しているのは、 修繕積立金が専有面積に対してどの水準にあるかの一点です。
管理費のほうは、高い安いの判定をしていません。適正額の公的な目安が 存在しないためです。管理費は戸数、共用設備(エレベーター、機械式駐車場、 オートロック、宅配ボックス)、管理員の勤務形態で大きく変わります。 同じ月12,000円でも、20戸の低層で機械式駐車場つきなら安く、200戸の 大規模で日勤管理員がいるなら普通です。物差しが無いものに点を付けると、 付けた側の感覚を採点しているだけになります。
そのため管理費は、月いくら出ていくかの内訳として画面に出すだけにして、 点数には反映していません。
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の目安(階数と 延床面積で幅が決まります)に対して、こう付けています。
| 修繕積立金の水準 | 管理の評価 |
|---|---|
| 目安の幅の範囲 | 0.85 |
| 目安を上回る | 0.75 |
| 目安の下限を下回る | 0.50 |
| 未入力 | 0.50(判定していない、の意味) |
上回っているほうを下げているのは、高すぎるのが悪いからではありません。 毎月の支出としては重いという、それだけの意味です。工事の予定が詰まっている 時期なら、高いことに理由があります。
下限を下回ったときも、0.5で止めています。ガイドライン自身が、幅に 収まっていないからといって直ちに不適切とは限らない、と断っているためです。 大きく引くより、確認すべき項目として出すほうが実態に合います。 目安の読み方そのものは別の記事に 書きました。
管理の良し悪しを本当に決めるのは、次のようなものです。この診断はどれも 見ていません。公的なデータとして外から取れないためです。
月々の額が目安の範囲に入っていても、残高がほとんど無いことはあります。 逆に額が低めでも、十分に貯まっていて計画も整っていることがあります。 15点は、管理の質そのものではなく、月々の負担の水準を測ったものです。 点が付いていることを、管理が良いことの証明として受け取らないでください。
管理の質を外から見分ける制度が、マンション管理適正化法にもとづく 管理計画認定制度です。認定の基準には次のような項目が並びます。
出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」 mlit.go.jp/jutakukentiku/house/keikakunintei.html
この一覧は、そのまま管理組合に聞く項目として使えます。認定を受けている マンションなら、大規模修繕工事のときに固定資産税が減額される扱いや、 フラット35の金利引下げの対象になる場合があります。
買うと決める前に、仲介業者を通して管理組合から取り寄せられるものが あります。修繕積立金の残高、長期修繕計画、直近の総会議事録。 この三つで、上に挙げた「見ていないもの」のほとんどが埋まります。
取り寄せに数日かかることがあるので、申込のあとではなく、内見のあとすぐに 頼んでおくと間に合います。断られることはまずありません。管理会社が 「重要事項に係る調査報告書」という形でまとめて出す仕組みが、もともと あるためです。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。マンションを無料で診断する