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浸水想定区域の家は買ってはいけないのか。深さと床の高さで考えます

2026-10-08 / 長沢 銀河(宅地建物取引士) 運営者について

浸水想定区域に入っているというだけで候補から外すと、選べる家が大きく減る地域があります。区域が前提にしているのは、想定し得る最大規模の降雨です。深さの段と、その家の床の高さを並べてはじめて、判断の材料になります。

区域が前提にしている雨

洪水浸水想定区域は、水防法第14条にもとづいて国や都道府県が指定します。前提にしている雨は、条文の言葉では次のとおりです。

想定最大規模降雨(想定し得る最大規模の降雨であつて
国土交通大臣が定める基準に該当するもの)

出典:水防法 第14条第1項

めったに降らない雨で、それでもどこまで水が来るかを描いた地図です。区域に入っていることは、毎年のように浸かることを意味しません。逆に、区域の外だから浸からないとも言えません。この区域は河川があふれた場合の想定で、側溝や下水があふれる内水(雨水出水)は別の地図になります。

自治体のハザードマップには、より頻度の高い雨を前提にした「計画規模」の地図が並んで載っていることがあります。この診断が見ているのは想定最大規模、つまり厳しいほうです。

深さの段で、意味が変わる

想定される浸水深は6段階に分かれています(区分の一覧は浸水深の記事)。木造2階建ての2階の床は、おおむね地上3m前後にあります。それを物差しにすると、段ごとの意味はこうなります。

想定浸水深読み方この診断のリスク評価
0〜0.5m未満基礎の高さしだいで床上に届かない1.5点引く
0.5〜3.0m未満基礎を越えて1階の床に届きうる3点引く
3.0〜5.0m未満2階の床に届きうる7.5点以下に抑える
5.0m以上2階の床より上まで想定されている5.25点以下に抑える

リスクは15点満点で、ほかに該当がなければの値です。3m以上は「引く」ではなく上限をかけています。ほかの条件がどれだけ良くても、それより上の点は付けない、という意味です。

3m以上の段は、結果画面の「重大なリスク」の欄にも「重大」として出します。3m未満でも区域に入っていれば「中」として出します。ただし、物件そのものを候補から外す仕組みにはしていません。場所はあとから直せませんが、浸かり方は家の造りで変わるからです。

地図は地面の高さで塗られている

ハザードマップの深さは、地面からの深さです。家の床からの深さではありません。同じ0.5〜3.0mの区分でも、床が高い家と低い家では、浸かり方が変わります。

地図に入っていない情報は、現地で見るしかありません。見るのは3つです。

基礎の高さは外から見て分かります。内見のときに、玄関の段差と外の地面を見比べてください。

重要事項説明で分かるのは、位置まで

宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3第3号の2により、水防法にもとづいて市町村が提供するハザードマップ上の、物件のおおむねの位置は説明されます。洪水だけでなく、市町村が作っていれば内水と高潮の地図も対象です。

ただし義務になっているのは位置を示すところまでで、深さを読み上げることまでは含まれていません。凡例と照らして何mの段に入っているかは、自分で確かめることになります。

買うと決めたときに変わること

まず火災保険です。水災の補償を付けるかどうかは、0.5m未満の段と3m以上の段では判断が変わって当然です。保険の見積もりを取るときに、浸水深の段を伝えて比べてください。

次に、家の中での置き場所です。1階に何を置くか、電気の設備がどこにあるか。これは買ったあとでも変えられます。場所と違って、こちらは手を入れられます。

聞くことは2つ

この物件は、市のハザードマップで何mの区分ですか。
それは想定最大規模と計画規模の、どちらの地図ですか。

この2つを仲介会社に聞き、基礎の高さは内見で自分の目で見てください。

この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。住所を入れて浸水深を確かめる ・ 土地を診断する(注文住宅)

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出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ/国土地理院
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