この診断の数字は、ほぼすべて国の公的データから来ています。例外が一つあります。買い物施設だけは OpenStreetMap、有志がつくっている地図を見ています。
不動産情報ライブラリには、医療施設・学校・保育園・図書館・福祉施設の 位置データがあります。API一覧を確認しましたが、大規模小売店舗や商業施設の エンドポイントはありません。
買い物先があるかどうかは、生活利便の中核です。毎日のことですし、 無ければ車が要ります。ここを空欄にしたまま立地の点を出すのは、採点として 不誠実だと判断しました。
そこで買い物施設だけ、OpenStreetMap を使っています。スクレイピングでは なく公開API(Overpass API)を通して取り、ODbLに従って出典を明示しています。
対象の座標から半径2,500m以内で、次のタグが付いた地点を数えます。
| 区分 | OSMのタグ |
|---|---|
| 大型 | shop=mall(複合商業施設)/shop=department_store(百貨店) |
| 日常 | shop=supermarket(スーパー) |
コンビニ、ドラッグストア、個人商店は数えていません。件数が多すぎて、 あるかないかの判断に使えないからです。
OpenStreetMap は誰でも編集できる地図です。精度には地域差があります。 実データ(藤沢市)を見た限り、イオンやイトーヨーカドーのような大型店は よく整備されていました。いっぽうで、衣料品店や飲食店が supermarket として 登録されている例もありました。
つまり、件数をそのまま信じることはできません。だから件数だけで点を 付けず、種別で重みを分けたうえで、いちばん近いものまでの距離を主に 見ています。
ここがいちばん大事なところです。OSMに載っていない店は、実在しても 見つかりません。「地図に無い」は「存在しない」ではありません。
以前、この診断は「大型商業施設は付近になし」と書いていました。これは 嘘です。調べた範囲で見つからなかった、というだけのことを、存在しないと 言い切っていました。いまはこう書いています。
商業施設は OpenStreetMap の範囲では見つかりませんでした
点数の扱いも変えています。見つからなかったときは減点せず、 情報充足度のほうを下げます。 調べていない人を、悪い物件として採点しないためです。
Overpass は有志が運営する共有サーバーです。落ちることも混むことも あります。本番で繋がらず「買い物施設の取得に失敗」と出たことがあったので、 いまは3つのサーバーを順に試します。それでも駄目なら「未取得」として、 診断そのものは止めません。
共有サーバーを借りている立場なので、名乗りを上げ(User-Agent)、 タイムアウトを短く切り、同じ座標を何度も叩かないようにしています。 誰かが無償で動かしているものを使わせてもらっている、という前提です。
買い物先は、この診断がいちばん当てにならない項目です。地図アプリで 住所を入れて、スーパーまでの道のりを実際に見てください。直線距離800mでも、 踏切や大きな交差点を挟めば徒歩15分になります。
そしてその店が何年続くかは、誰にも分かりません。駅前の核店舗が 撤退すれば、生活利便は一日で変わります。この診断が出しているのは、 いま地図にある店までの距離です。将来の話ではありません。
地図データ © OpenStreetMap contributors(ODbL)
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。戸建を診断する ・ 土地を診断する(注文住宅)