世帯年収が同じ1,000万円でも、1人で1,000万円を稼ぐ片働きと、600万円と400万円の共働きでは、手取りが年59.4万円違います(月にすると約4.9万円)。差のほとんどは所得税で、社会保険料はどちらもほぼ同じです。
会社員の給与として、令和8年分の所得税と令和9年度分の住民税で計算しました。本人・配偶者とも40歳未満、配偶者の年収が0円の世帯は配偶者控除を使っています。
| 本人+配偶者 | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|
| 1,000+0 | 147.2 | 70.3 | 58.7 | 723.9 |
| 600+400 | 147.2 | 20.7 | 48.9 | 783.3 |
| 500+500 | 147.2 | 18.2 | 48.9 | 785.8 |
| 800+0 | 117.7 | 35.4 | 42.1 | 604.7 |
| 400+400 | 117.7 | 11.5 | 35.8 | 634.9 |
| 600+0 | 88.3 | 11.0 | 27.7 | 473.0 |
| 300+300 | 88.3 | 5.5 | 24.0 | 482.3 |
単位は万円(年額)。所得税は復興特別所得税を含みます。社会保険料と税は、 2人分を足した額です。
社会保険料は年収に料率を掛けるので、1,000万円を1人で稼いでも2人で分けても、合計はほとんど変わりません。差が出るのは所得税です。
年収1,000万円の人の給与所得は805.0万円で、基礎控除は62.0万円です。社会保険料と配偶者控除38.0万円を引いた課税所得は 557.9万円になり、税率20%の段にかかります。
600万円の人の給与所得は436.0万円、400万円の人は276.0万円で、どちらも合計所得489万円以下なので、基礎控除は1人104.0万円ずつ受けられます。税率は10%と5%の段で収まります。基礎控除と給与所得控除を 2人分使えて、しかも低い税率の段に収まる。これが年59.4万円の差です。
住民税は所得割が一律10%なので、差は所得税ほど開きません。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1199 基礎控除、No.1410 給与所得控除、 No.2260 所得税の税率、No.1191 配偶者控除
同じ計算で、800万円では年30.2万円、600万円では年9.3万円の差です。
年収600万円の人は、片働きでも合計所得が489万円以下に収まるので、基礎控除の 104.0万円を受けられます。そこに配偶者控除が乗るので、2人で稼いだときとの差がほとんど残りません。1人の年収が約666万円を超えると、基礎控除が 104.0万円から67万円に下がります。差が大きく開き始めるのは、そこからです。
令和8年分と9年分の基礎控除には特例が上乗せされていて、令和10年分からは縮みます。そのときは、この差も変わります。
社会保険料は協会けんぽの全国平均の料率で、健康保険9.90%、厚生年金18.3%、子ども・子育て支援金0.23% (いずれも労使合計で、本人はその半分)、雇用保険は本人0.5%です。賞与を含めた年収に料率を掛けています。月給が65万円を超える人は、厚生年金の上限でこれより少し保険料が下がり、手取りは少し増えます。
控除は基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除だけです。住宅ローン控除、生命保険料控除、扶養控除などは入れていません。
金融機関の審査で使う返済負担率は、税込の年収で割ります。片働きの1,000万円と共働きの1,000万円は、審査の上では同じ数字です。けれど手元に残るお金は、月に約4.9万円違います。
手取りで見た返済の重さは別の記事に書きました。借入額を決めるときは、審査で言われる上限ではなく、手取りから逆に考えてください。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。年収を入れて診断する ・ 手取りと教育費まで見る(PRO)