住宅ローンの返済負担率は、フラット35も金融機関の審査も、年間の返済額を税込の年収で割ります。「手取りの25%まで」という目安はよく見かけますが、出どころになる公的な資料は見つかりませんでした。手取りで見ること自体は理にかなっていますが、線を引くのは自分で、という話です。
住宅金融支援機構のフラット35では、総返済負担率は、すべての借入れの年間返済額の合計を年収で割ったものです。ここでいう年収は税込です。年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下が条件です。くわしくは返済負担率の記事に書きました。
手取りで割る式を基準として定めた公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。「手取りの25%」「手取りの20〜25%」という言い方は、家計の目安として広まっているものです。
片働きで配偶者控除を使う会社員の世帯で計算しました(令和8年分の税制、協会けんぽの全国平均の料率)。
| 年収(万円) | 手取り(万円) | 手取りの割合 | 税込20% | 税込25% | 税込30% |
|---|---|---|---|---|---|
| 400 | 322.7 | 80.7% | 24.8% | 31.0% | 37.2% |
| 600 | 473.0 | 78.8% | 25.4% | 31.7% | 38.1% |
| 800 | 604.7 | 75.6% | 26.5% | 33.1% | 39.7% |
| 1,000 | 723.9 | 72.4% | 27.6% | 34.5% | 41.4% |
右の3列は、税込の年収で割った負担率が、手取りで割ると何%になるかです。
年収400万〜600万円なら、税込の20%は手取りのほぼ25%です。年収が上がると税の割合が増えるので、同じ税込20%でも、手取りに占める重さは増えていきます。年収1,000万円なら、税込20%は手取りの27.6%です。
手取りの計算は片働きと共働きの記事と同じ前提です。共働きなら手取りの割合はもう少し高くなります。
無料の診断は、ほかの数字と比べられるように、税込の年収で割っています。資金は10点満点で、税込20%以下・25%以下・30%以下で段を分けます。
PROで年収を本人と配偶者に分けて入れると、手取りを出して、手取りで割った割合で段を付け直します。段の線は次のとおりです。
| 返済が手取りに占める割合 | 資金の点 |
|---|---|
| 25%以下 | 10点 |
| 25%を超え30%以下 | 8点 |
| 30%を超え35%以下 | 6点 |
| 35%を超える | 3点 |
25%・30%・35%は、無料の段(税込20%・25%・30%)を、手取りの割合およそ8割で割り戻して丸めたものです。公的な基準ではなく、この診断の決めごとです。年収が高い世帯ほど、無料の診断より少し厳しく出ます。税で引かれる分が多いぶん、実際に家計から出ていく重さも大きいからです。
手取りで割れば、税と社会保険料の差は消えます。それでも、子どもの教育費や家族の人数の違いは入っていません。同じ手取りの30%でも、子どもが2人大学に通っている年と、夫婦2人の年とでは、残るお金の意味が違います。
その二つは教育費の記事と生活費の記事に書きました。金融機関に言われた負担率と、手取りで割った負担率は両方出して、重く見えるほうを基準に借入額を決めてください。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。年収を入れて診断する ・ 手取りで採点する(PRO)