用途地域は13種類あります。この診断は取得して結果に表示しますが、点数そのものは動かしていません。住居専用だから高く、工業地域だから低い、と並べられるものではないからです。
用途地域の種類は、都市計画法第8条第1項第1号に列挙されています。数を 数える必要はなく、条文に書いてあるとおりです。それぞれが何のための地域かは、 同法第9条が一つずつ定義しています。
| 用途地域 | 都市計画法第9条の定義 |
|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護する |
| 第二種低層住居専用地域 | 主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護する |
| 第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護する |
| 第二種中高層住居専用地域 | 主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護する |
| 第一種住居地域 | 住居の環境を保護する |
| 第二種住居地域 | 主として住居の環境を保護する |
| 準住居地域 | 道路の沿道としての特性にふさわしい業務の利便を図りつつ、住居の環境を保護する |
| 田園住居地域 | 農業の利便を図りつつ、調和した低層住宅の住居の環境を保護する |
| 近隣商業地域 | 近隣の住民に対する日用品の供給を主とする商業その他の業務の利便を増進する |
| 商業地域 | 主として商業その他の業務の利便を増進する |
| 準工業地域 | 主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進する |
| 工業地域 | 主として工業の利便を増進する |
| 工業専用地域 | 工業の利便を増進する |
「主として」が付くかどうかで一対になっている組が多いことに気づきます。 付いているほうが、その用途以外も入れる余地を残した地域です。第一種と 第二種の違いは、おおむねここにあります。
13種類になったのは平成30年4月1日からです。都市緑地法等の一部を 改正する法律(平成29年公布)で田園住居地域が加わり、それまでの12種類から 増えました。古い資料が「12種類」と書いているのは、この改正の前のものです。
用途地域は、その土地に何を建ててよいかを決めるものであって、住み心地の 順位表ではありません。第一種低層住居専用地域は建てられるものが最も限られ、 静かな環境が保たれやすい一方で、日用品の店も建てにくい地域です。近隣商業 地域は騒がしくなりやすい代わりに、生活の用は足ります。
どちらが良いかは、そこに住む人が何を優先するかで決まります。採点する がわが勝手に順位を付ければ、その順位はもう公的データではなく、こちらの 好みです。この診断は配点を公開しているので、公開できない判断を混ぜる わけにはいきません。
そのため、用途地域は結果に表示するだけにしてあります。立地の評価の 理由欄に「用途:第一種低層住居専用地域」のように出ます。点数は動きません。 取得できた場合にデータの確からしさが少し上がる、という扱いです。
同じ都市計画のデータでも、区域区分は扱いが違います。市街化調整区域に あたる可能性が出た場合、この診断はリスクの評価を大きく下げます。用途地域が 「何を建ててよいか」の話なのに対し、区域区分は「そもそも建てられるか」の 話だからです。
市街化調整区域では原則として建築のために開発許可が要り、既存の建物の 建て替えにも許可が必要になることがあります。これは好みの問題ではなく、 買ったあとにできることが変わります。だから点数に入れています。
詳しくは市街化調整区域は建てられないのかに 書きました。
この診断が使っているのは、国土交通省 不動産情報ライブラリの用途地域 データ(XKT002)です。住所から求めた座標が、どの用途地域のポリゴンの中に あるかで判定しています。
ただし、ポリゴンの内側かどうかを判定できなかったときは、その付近の 代表的な値を出す作りにしています。用途地域の境目は道路の中心線などに 引かれていることが多く、境界に近い土地では隣の地域が表示されることが あります。表示された地域名は、市区町村の都市計画図で確かめてください。
区域区分のほうは、この代表値への読み替えをしていません。点数を 動かすデータなので、確かめられなかったときは「未取得」として扱います。
用途地域そのものより、その地域で何が建てられるかを見るほうが実になります。 建てられる用途は建築基準法別表第二に、建蔽率や容積率、高さの制限は 都市計画で地域ごとに定められていて、同じ「第一種住居地域」でも市によって 数字が違います。市区町村の都市計画課か、都市計画情報のウェブ地図で 確認できます。
買う立場でいちばん効くのは、隣の土地に将来何が建ちうるかです。いまの 眺望や日当たりは、隣が空き地や低い建物であることで成り立っている場合が あります。仲介の担当者に、物件と隣接地の用途地域・建蔽率・容積率・高さ制限を まとめて聞いてください。口頭ではなく、都市計画図の写しをもらうのが確実です。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。住所を入れて用途地域を調べる ・ 土地を診断する(注文住宅)