工事が終わる前の物件は、建築確認などが下りるまで広告ができません。その例外として、確認より前に「こういうマンションを建てる計画です、ご意見をください」と呼びかけられる形があります。それが自由設計型マンション企画です。売り出しではないので、意見を出しても買う順番は確保されません。
宅地建物取引業法第33条は、工事の完了前の宅地や建物について、建築確認などの処分があった後でなければ広告をしてはならない、と定めています。契約も同じで、第36条により、確認の前には売買契約を結べません。
業界の自主ルールである「不動産の表示に関する公正競争規約」も、第5条で同じ制限を置いています。そのうえで、この制限が外れる例外を2つ設けています。建築条件付土地に載せる設計プラン(第6条)と、自由設計型マンション企画(第7条)です。前者は建築条件付きの土地の記事に書きました。
特定の土地を前提とするマンション建築の基本計画を示して当該計画に
ついて一般消費者の意見を聴取し、これを反映させた実施計画を確定し、
第5条に規定する広告表示の開始の要件を満たした後に、売買契約をする
方式によるマンションの建築企画
出典:不動産の表示に関する公正競争規約 第4条第6項第2号
大事なのは順番です。基本計画を示す、意見を聞く、実施計画を固める、確認などが下りる、そこで初めて売買契約。広告が出ている時点は、まだ最初の段階です。
規約第7条第1号は、次の5つを見やすく書くことを、例外の条件にしています。
参加する側にとって大事なのは4つ目です。説明会に出て意見を出しても、その住戸を優先的に買えるわけではありません。そのことを広告に書かせているのが、この条件です。
規約第7条第2号により、透視図、外観図、平面スケッチを載せる場合は、それが意見を聞くための手がかりであって、具体的な実施計画の内容ではない旨を、図面に接する位置に書くことになっています。透視図は、建ぺい率と容積率の制限の範囲で建てられる限度を示すものです。
第3号は、企画のコンセプトの説明とこれらの図面を除いて、建物の具体的な設計プランを表示してはならない、としています。部屋ごとの間取り図と面積が並んでいるなら、規約が想定しているこの例外の形からは外れています。
分かるのは、土地の場所と、建てられる大きさの見当までです。建ぺい率と容積率からどこまで建てられるかは、容積率の記事に書いたとおり、階数や前面道路でも変わります。
説明会に行くなら、聞くことは2つです。
建築確認の申請は、いつの予定ですか。
売り出しの前に、ここで何かを約束する書類に署名することはありますか。
2つ目の答えが「あります」なら、規約が書かせている「取引を拘束しない」と食い違っていないか、その書類をよく読んでください。
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