土地の広告に「容積率200%」と書いてあり、敷地が125㎡なら、延床250㎡の家が建つ。計算としては合っています。ただし4階建てにすれば、という条件が付きます。2階建てで建てるつもりなら、使える広さはそこまで届きません。
建ぺい率は1階の広さの上限を決めます。正確には建築面積、つまり 真上から見たときの一番大きな面の広さです。容積率は全部の階を足した 広さの上限を決めます。
敷地125㎡・建ぺい率60%・容積率200%なら、こうなります。
建築面積の上限 125 × 60% = 75㎡
延床の上限 125 × 200% = 250㎡
この二つは別々にかかります。どちらも超えてはいけない、という関係です。
延床250㎡を、1階あたり75㎡で積み上げるには何階要るか。割れば出ます。
250 ÷ 75 = 3.3… → 4階建て
敷地面積は約分されるので、もっと簡単に書けます。
容積率 ÷ 建ぺい率 = 要る階数
200% ÷ 60% = 3.3… → 4階
この診断は、結果画面で「容積率を使い切るには◯階建てが要ります」と 出しています。出しているのはこの割り算そのもので、ほかに何も足して いません。
| 敷地 | 建ぺい/容積 | 建築面積 | 延床の上限 | 要る階数 |
|---|---|---|---|---|
| 125㎡ | 60% / 200% 前面道路6m |
75㎡ | 250㎡ | 4階 |
| 125㎡ | 60% / 200% 前面道路4m |
75㎡ | 200㎡ | 3階 |
| 150㎡ | 50% / 100% 第一種低層住居専用 |
75㎡ | 150㎡ | 2階 |
| 100㎡ | 80% / 400% 商業地域・道路12m |
80㎡ | 400㎡ | 5階 |
2行目に注意してください。同じ敷地・同じ指定容積率でも、前面道路が 4mだと使える容積率が160%に下がります(建築基準法52条2項)。延床の上限が 250㎡から200㎡へ落ち、要る階数も4階から3階に変わります。 前面道路による容積率の上限に 書いたとおりです。
注文住宅で3階建て・4階建てを選ぶ人は多くありません。2階建てで建てる つもりなら、実際に建つ広さは建築面積 × 2が上限です。
75㎡ × 2階 = 150㎡
広告の「延床250㎡まで」との差は100㎡。坪に直すと30坪ぶんです。 この差は小さくありません。
逆に言うと、2階建てで足りる広さなら、容積率はそもそも効いていません。 効いているのは建ぺい率のほうです。土地を比べるとき、2階建て前提の 人が見るべきなのは容積率ではなく建ぺい率と敷地面積、ということになります。
ここまでは面積の話だけです。実際に何階建てられるかには、別の制限が 重なります。
出典:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第五十二条・ 第五十五条・第五十六条 e-Gov 法令検索
この診断は、これらを計算に入れていません。斜線制限は真北の向きと 隣地の条件が要り、公的データからは取れないからです。取れないものを推定で 埋めると、計算そのものの意味が無くなります。だから結果画面にも、 入れていないと書いています。
つまり、ここで出る階数は面積だけで見たときの必要階数です。 実際にはこれより建てにくいことはあっても、建てやすくなることはありません。
土地を見に行く前に、何階建てにするかを先に決めてください。 決まっていれば、その土地で建つ広さは「建築面積 × 階数」で自分で出せます。 広告の延床の上限と比べて、足りるかどうかがその場で分かります。
3階建てを考えているなら、木造3階建ては構造計算が要り、建築費が上がります。 低層住居専用地域なら高さ制限にも当たりやすい。土地の値段だけで比べると、 ここが抜け落ちます。
設計事務所や工務店に聞くなら、「この敷地で、2階建てだと延床何㎡まで いけますか」。容積率ではなく、建つ広さを聞いてください。斜線制限まで 含めた答えが返ってきます。
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