この診断は戸建もマンションも100点で採点しますが、100点の配り方は揃えていません。同じ物差しを当てたほうが公平に見えますが、買う人が気にすることと、外から確かめられることが、二つで違うためです。
| 項目 | 戸建 | マンション |
|---|---|---|
| 価格 | 20 | 30 |
| 資産性 | 10 | 20 |
| 物件 | 25 | — |
| 管理 | — | 15 |
| リスク | 15 | 13 |
| 立地 | 20 | 12 |
| 資金 | 10 | 10 |
動いていないのは資金だけです。返済負担率の見方は種別で変わらないので、同じ10点にしてあります。
マンションの価格評価は、専有面積あたりの単価で行います。同じ町の同じ築年帯なら、㎡単価はかなり近い値に集まります。部屋の中がどうであれ、面積で割ればそろうためです。
戸建はそうなりません。土地と建物の組み合わせが一件ごとに違い、土地の形も間口も接道も違います。同じ町の成約を集めても、ばらつきが大きく残ります。
確からしさが高いものほど、重く配点してよい。それが30点と20点の差です。逆に言えば、戸建の価格20点は「慎重に見ている」という意味であって、価格を軽んじているわけではありません。
戸建の「物件」は、築年・構造・リフォームの有無から建物そのものを見る項目です。木造22年、RC47年といった耐用年数が効いてくるところで、戸建では最大の25点を置いています。
マンションで同じことをしていません。専有部分の状態は外から取れるデータに出てこないうえ、建物の寿命を決めるのは専有部分ではなく共用部分の維持だからです。マンションで建物の将来を左右するのは、修繕積立金と管理組合のほうです。そこで物件の枠を外し、代わりに管理を15点で置いています。
マンションの築年をどこで見ているかというと、資産性の側です。新耐震かどうかもそこで効かせています。旧耐震のマンションを自分ひとりでは直せないという話は、別の記事に書きました。
立地が軽くなったのは、マンションの立地が重要でないからではありません。逆です。マンションは駅からの距離が売るときの値段にそのまま響くので、駅距離は資産性のほうで主に効かせています。
もし立地と資産性の両方を駅距離で動かすと、同じことを二回採点することになります。駅徒歩5分の部屋が二重に加点され、駅から遠い部屋が二重に減点される。それを避けるために、マンションでは資産性を10点から20点へ上げ、立地を20点から12点へ下げました。立地側に残したのは、買い物・学校・周辺施設といった生活の利便です。
戸建は逆です。日々の暮らしやすさが選ぶ理由になりやすく、駅距離だけで値段が決まる度合いもマンションほど強くありません。だから立地に20点を置いています。
ハザードや用途地域の見方は、戸建もマンションも同じです。2点の差は、他の項目を積んだ結果の調整で、災害の危険を軽く見ているわけではありません。なお、土砂災害特別警戒区域のような重いものは配点とは別に、重大リスクとして結果の先頭に出しています。
ここがいちばん大事なところです。戸建の72点とマンションの72点は、違うものを測った72点です。物差しが違うので、どちらが良い物件かの答えにはなりません。
使い方としては、戸建は戸建どうし、マンションはマンションどうしで並べてください。保存して比べる画面も、同じ種別の中で見比べる前提で作ってあります。
もし戸建とマンションで迷っているなら、点数ではなくカテゴリ別の中身を見てください。維持にかかるお金の出方が、二つでまったく違います。マンションは管理費と修繕積立金という形で毎月決まった額が出ていき、戸建は十数年ごとに外壁と屋根でまとまった額が出ます。総額ではなく、いつ出ていくかが違う。そこは点数に表れないので、ご自身の家計の形に合わせて判断してください。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。この物件のカテゴリ別の点を見る