築年数だけで採点すると、木造の築30年もRCの築30年も同じ点になります。それは実態に合いません。この診断は木造なら何年ぶんに相当するかへ換算してから、築年数のカーブに通しています。
構造ごとの差を測るには、公開された基準が要ります。こちらで作った数字を 使うわけにはいきません。使っているのは国税庁の 「主な減価償却資産の耐用年数表」の〈建物〉のうち、 店舗用・住宅用のものの法定耐用年数です。
| 構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 木造・合成樹脂造 | 22年 |
| 木骨モルタル造 | 20年 |
| 金属造 骨格材3mm以下 | 19年 |
| 金属造 骨格材3mm超4mm以下 | 27年 |
| 金属造 骨格材4mm超 | 34年 |
| れんが造・石造・ブロック造 | 38年 |
| 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 | 47年 |
出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表(建物) 国税庁
先に断っておきます。法定耐用年数は税法上の区分であって、建物が何年 もつかを定めたものではありません。木造が22年で住めなくなるわけでは ありませんし、47年経ったRCが危ないわけでもありません。ここでは 「構造ごとの相対的な差」を測る物差しとしてのみ使っています。
素直に考えれば、築年数を耐用年数で割って「どれだけ減ったか」を出せば よさそうです。ところがそうすると、木造は22年で満了扱いになり、 築25年を超える木造がほぼ最低点に張り付きます。
戸建の大半は木造です。全体の点が下がるだけで、物件どうしの比較には 使えません。点数は、比べられて初めて意味があります。
そこで木造を基準に置き、他の構造を「木造なら何年ぶりか」へ換算してから、 これまでと同じ築年数のカーブに通しています。
実効築年数 = 築年数 × 22 ÷ その構造の耐用年数
木造は22÷22で1.0倍なので、値は変わりません。木造の点数は、この換算を 入れる前と後で1点も動いていません。動くのは木造以外だけです。
| 構造 | 耐用年数 | 築30年は | 築40年は |
|---|---|---|---|
| 木造 | 22年 | 30年相当 | 40年相当 |
| 軽量鉄骨造 | 23年 | 29年相当 | 38年相当 |
| その他(ブロック造等) | 38年 | 17年相当 | 23年相当 |
| 重量鉄骨造 | 34年 | 19年相当 | 26年相当 |
| RC・SRC造 | 47年 | 14年相当 | 19年相当 |
結果画面には「築30年・RC・SRC造(木造換算で築14年相当)」のように 出ます。括弧の中が、この換算を通したあとの数字です。
戸建の100点のうち、物件が25点。その素点は実効築年数で決まります。
| 実効築年数 | 素点 |
|---|---|
| 5年以下 | 1.00 |
| 15年以下 | 0.85 |
| 25年以下 | 0.70 |
| 35年以下 | 0.50 |
| 45年以下 | 0.35 |
| 45年超 | 0.20 |
築30年の物件で比べます。木造なら30年相当で素点0.50、25点満点なら 12.5点。RCなら14年相当で素点0.85、21.3点。同じ築30年で8.8点の差に なります。100点満点の採点としては、小さくない幅です。
販売図面に「鉄骨造」「S造」とだけ書かれていることは珍しくありません。 軽量(23年)か重量(34年)かで、築30年の評価は29年相当と19年相当に分かれます。 どちらとも書いていない以上、こちらでは判別できません。
この診断は、低いほうの軽量として扱います。判断材料が無いときに 評価を甘くするのは、購入判断の道具として筋が悪いからです。重量鉄骨だと 分かっているなら、フォームで選び直してください。そのぶん点が上がります。
軽量鉄骨の23年という値だけは、国税庁の表にありません。骨格材の厚みで 19年と27年に分かれますが、厚みが図面に載ることはほとんどないので、 中間を採って「厚み未確認」と明記しています。理由は 軽量鉄骨の耐用年数は19年か27年か に書きました。
換算しているのは構造だけです。同じRC造でも、管理の良し悪しや大規模修繕を してきたかどうかで、建物の状態はまるで違います。この診断は建物の中を 見ていません。雨漏り、シロアリ、給排水管の更新時期、いずれも未確認です。
だから構造で点が上がっても、それは「古さの効き方が緩やかな構造である」 という以上の意味を持ちません。減点していないのは、調べていないからです。 情報充足度のほうを下げて、未確認だと 明示しています。
構造は、登記事項証明書の表題部に「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」 として記載されています。販売図面より確かです。仲介業者に謄本を見せて もらってください。
鉄骨造なら、確認申請書の構造図か、建築会社に骨格材の厚みを 聞いてください。3mm以下・3mm超4mm以下・4mm超のどれかが分かれば、 この診断でも選び直せます。
この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。戸建を診断する ・ マンションを診断する