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RC造の築30年は、木造の築14年として採点しています

2026-10-01 / 長沢 銀河(宅地建物取引士) 運営者について

築年数だけで採点すると、木造の築30年もRCの築30年も同じ点になります。それは実態に合いません。この診断は木造なら何年ぶんに相当するかへ換算してから、築年数のカーブに通しています。

何を物差しにするか

構造ごとの差を測るには、公開された基準が要ります。こちらで作った数字を 使うわけにはいきません。使っているのは国税庁の 「主な減価償却資産の耐用年数表」の〈建物〉のうち、 店舗用・住宅用のものの法定耐用年数です。

構造法定耐用年数
木造・合成樹脂造22年
木骨モルタル造20年
金属造 骨格材3mm以下19年
金属造 骨格材3mm超4mm以下27年
金属造 骨格材4mm超34年
れんが造・石造・ブロック造38年
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造47年

出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表(建物) 国税庁

先に断っておきます。法定耐用年数は税法上の区分であって、建物が何年 もつかを定めたものではありません。木造が22年で住めなくなるわけでは ありませんし、47年経ったRCが危ないわけでもありません。ここでは 「構造ごとの相対的な差」を測る物差しとしてのみ使っています。

そのまま割ると、木造が全部最低点になる

素直に考えれば、築年数を耐用年数で割って「どれだけ減ったか」を出せば よさそうです。ところがそうすると、木造は22年で満了扱いになり、 築25年を超える木造がほぼ最低点に張り付きます。

戸建の大半は木造です。全体の点が下がるだけで、物件どうしの比較には 使えません。点数は、比べられて初めて意味があります。

木造を1.0に置いて、そこへ寄せる

そこで木造を基準に置き、他の構造を「木造なら何年ぶりか」へ換算してから、 これまでと同じ築年数のカーブに通しています。

実効築年数 = 築年数 × 22 ÷ その構造の耐用年数

木造は22÷22で1.0倍なので、値は変わりません。木造の点数は、この換算を 入れる前と後で1点も動いていません。動くのは木造以外だけです。

構造耐用年数築30年は築40年は
木造22年30年相当40年相当
軽量鉄骨造23年29年相当38年相当
その他(ブロック造等)38年17年相当23年相当
重量鉄骨造34年19年相当26年相当
RC・SRC造47年14年相当19年相当

結果画面には「築30年・RC・SRC造(木造換算で築14年相当)」のように 出ます。括弧の中が、この換算を通したあとの数字です。

点数にすると、どれだけ違うか

戸建の100点のうち、物件が25点。その素点は実効築年数で決まります。

実効築年数素点
5年以下1.00
15年以下0.85
25年以下0.70
35年以下0.50
45年以下0.35
45年超0.20

築30年の物件で比べます。木造なら30年相当で素点0.50、25点満点なら 12.5点。RCなら14年相当で素点0.85、21.3点。同じ築30年で8.8点の差に なります。100点満点の採点としては、小さくない幅です。

「鉄骨造」としか書いていないとき

販売図面に「鉄骨造」「S造」とだけ書かれていることは珍しくありません。 軽量(23年)か重量(34年)かで、築30年の評価は29年相当と19年相当に分かれます。 どちらとも書いていない以上、こちらでは判別できません。

この診断は、低いほうの軽量として扱います。判断材料が無いときに 評価を甘くするのは、購入判断の道具として筋が悪いからです。重量鉄骨だと 分かっているなら、フォームで選び直してください。そのぶん点が上がります。

軽量鉄骨の23年という値だけは、国税庁の表にありません。骨格材の厚みで 19年と27年に分かれますが、厚みが図面に載ることはほとんどないので、 中間を採って「厚み未確認」と明記しています。理由は 軽量鉄骨の耐用年数は19年か27年か に書きました。

この換算が見ていないもの

換算しているのは構造だけです。同じRC造でも、管理の良し悪しや大規模修繕を してきたかどうかで、建物の状態はまるで違います。この診断は建物の中を 見ていません。雨漏り、シロアリ、給排水管の更新時期、いずれも未確認です。

だから構造で点が上がっても、それは「古さの効き方が緩やかな構造である」 という以上の意味を持ちません。減点していないのは、調べていないからです。 情報充足度のほうを下げて、未確認だと 明示しています。

図面で確かめること

構造は、登記事項証明書の表題部に「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」 として記載されています。販売図面より確かです。仲介業者に謄本を見せて もらってください。

鉄骨造なら、確認申請書の構造図か、建築会社に骨格材の厚みを 聞いてください。3mm以下・3mm超4mm以下・4mm超のどれかが分かれば、 この診断でも選び直せます。

この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。戸建を診断する ・ マンションを診断する

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