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注文住宅の土地の探し方。広さと価格より先に見るものがあります

2026-10-01 / 長沢 銀河(宅地建物取引士) 運営者について

土地探しでまず見るのは、広さと価格と駅からの距離。それは自然な順番ですが、その土地に建てられる家の大きさは、広さでは決まりません。効く順に並べ直すと、見る場所が変わります。

見る順番

順見るもの外したときに起きること
1建築条件が付いているか建てたい会社で建てられない
2接道(幅員・長さ・種類)家が建たない。建て替えもできない
3建ぺい率・容積率・前面道路思った広さが建たない
4ハザードと地盤造成費が膨らむ。売るときに響く
5用途地域と高さ制限階数や日当たりが制限される
6資金(つなぎ融資・付帯工事)総額が合わなくなる
7価格・広さ・駅距離—

価格と広さが最後なのは、どうでもいいからではありません。 1から6が決まらないと、その価格が高いか安いか判断できないからです。

1|建築条件

建築条件付きの土地は、売主の指定する会社と一定期間内に建築請負契約を 結ぶことが条件です。設計事務所や他の工務店では建てられません。 建てたい会社が決まっている人にとっては、この時点で選択肢から外れます。

この診断は、建築条件を点数に入れていません。土地そのものの欠点ではなく、 買い方の制約だからです。詳しくは 建築条件付きの土地は注文住宅の土地ではありませんに 書きました。

2|接道

建築基準法43条は、建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないと 定めています。この「道路」は原則として幅員4m以上のもので、 4m未満の道に接していれば、建てるときに後退(セットバック)が要ります。

土地の100点のうち、接道は15点。そして間口が2mに足りない場合や、 建築基準法の道路に接していない場合は、総合点を30点で頭打ちにします。 建てられない可能性のある土地に高い点を出すと、点数が判断を誤らせるからです。

私道なら、持分の有無と掘削の承諾書の現物を見せてもらってください。 承諾が無いと、給排水の引き込みで掘るときに止まります。

3|建てられる大きさ

広告に「建ぺい率60%・容積率200%」と書いてあっても、そのまま使えるとは 限りません。前面道路が12m未満なら、幅員から計算した上限と比べて 小さいほうが効きます(建築基準法52条2項)。

住居系 前面道路の幅員(m) × 0.4
それ以外 前面道路の幅員(m) × 0.6

前面道路4mの住居系なら160%までです。指定容積率が200%でも、 延床の上限は25%ぶん落ちます。

そして、延床の上限は使い切ったらという前提の数字です。使い切るのに 何階建てが要るかは、容積率を建ぺい率で割れば出ます。2階建てで建てるなら、 実際に建つのは「建築面積 × 2」までです。

4|ハザードと地盤

洪水の浸水深、土砂災害の警戒区域と特別警戒区域、津波、液状化、 大規模盛土造成地。この診断は土地の100点のうち25点をリスクに割いて います。戸建の15点より重く見ているのは、建ててから動かせないからです。

地盤改良の費用について、この診断は金額を出しません。地盤調査をするまで 決まらず、公的な費用統計が見つからなかったからです。名前と、どこで分かるか だけを出しています。

5|用途地域と高さ制限

第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域には、10mまたは12mの 絶対高さ制限があります。3階建てを考えているなら、ここで当たります。

いっぽう、低層住居専用地域は周囲も低層に制限されるので、日当たりが 守られます。商業地域や工業地域なら、隣に住宅以外の建物が建ち得ます。 どちらが良いかではなく、何が起こり得るかの話です。

建ぺい率は用途地域ごとに取りうる値が決まっています(法53条1項)。 商業地域なら80%だけ、低層住居専用なら30〜60%のいずれか。 広告の数字がその範囲に入っているかは、自分で確かめられます。

6|資金

注文住宅の資金計画は、建売とは形が違います。

利息の計算と、いつ現金が要るかは 注文住宅のつなぎ融資に 実際の計算つきで書きました。

現地で、もう一度見る

ここまでは紙とデータで分かることです。現地に行かないと分からないことも あります。

擁壁は、造り直すと数百万円かかります。検査済証が残っていなければ、 既存不適格なのか違法なのかが分かりません。建て替えのときに作り直しを 求められることがあります。

役所で聞けること

市区町村の都市計画課で、用途地域・建ぺい率・容積率・防火の指定・ 高度地区をまとめて教えてもらえます。道路管理課では、前面道路が 建築基準法の何条の道路かが分かります。

どちらも、買う前の人が聞いても答えてくれます。仲介業者を通さずに 自分で確かめられる、数少ない項目です。土地は、建物と違って あとから直せません。聞ける場所があるなら、聞いておくほうが早い。

この記事の数字は、診断の採点にそのまま使っています。土地を診断する(注文住宅) ・ 見本の結果を見る

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